走って逃げる。

 

常に追いかけられている焦燥感。

時間やストレスやその他いろいろ。

それから逃げながらも昼職を始めてしばらく経った。

前の職場では、どうせすぐ辞めると笑われていた。その職場の方を辞め、昼間一本で生活している。

 

これまでなんの努力もしなかった。

 

なんとなく好きな商品のある販売業につき、なんとなく嫌で辞めて、なんとなく無職でいた時になんとなく始めた夜職。なんとなく酒を飲み、なんとなくいい感じになった男と寝て、なんとなく付き合って。

 

仕事を変え男を変え、飽きたら癇癪を起こし問題を起こし、その繰り返し。

 

ぬるま湯みたいな、ふやけた人生。

6年続けて飽きちゃった。

 

別にこれからも頑張ろうとは思っていないけど、ただなんとなく、行けるところまで行ってみようかなって気持ちになった。

 

急に興味のあった分野のスクールに通い出した。学校なんて自分から行くと思わなかった。お勉強大嫌い。

なんかやれそうだったから、その派生でもう一つ興味のある分野の本を買った。こっちは独学。

頑張りすぎると疲れちゃうから、ちょっとずつペラペラ冊子をめくる。

 

今わたしはなんとなく「こうなりたい」みたいなものが出来た。

 

穏やかな人生を求めている。

 

わたしは時間が決まっているのが好きじゃない。あと、好きな時間にトイレに行けないとか、音楽を聴けないとか、人に話しかけるとか、好きじゃない。

要はただのわがままなんだけど、どうもそれらが身体に合わず、よくお腹を壊したり口内炎ができたりする。

だから、できるだけ自分の望む姿で生きていかれたらと思った。

数年前までそんなふうに考えるなんて思ってもみなかった。

未だに生の基盤に死はあるけれど、とりあえずやってみる気になったんだ。

 

もっと早くこう思えればとは思うけど、でも、これまで漂っていた6年間は無駄じゃなかった。

 

通っているスクールは、わたしがいつも泥酔していた公園の近く。

興味が出た分野の本は、夜職の時のお客さんがくれた図書カード500円分と、ひたすらブロンを買ってついたTポイントを使ったから408円の破格で買えた。

 

それだけでもまあこれまでの時間って無駄じゃなくて、なんか意味あったのかもなって思えちゃう単純な脳みそ。

結局人生はどこかで繋がってて、なんとなく生きてるつもりでも自分で伏線張ってるんだと思う。

それを回収するかは作者次第だけど。

 

わたしはきっと、すごくつまんない人間になった。

毎日仕事して、0時までには寝て、1週間に1度習い事をして、2週間に1度好きな人と会って、お酒はたまに少しだけ飲んで。

前まで呼ばれたらすぐお酒飲みに行って泥酔して諭吉ぶっ飛ばしたりして、昼間帰ってきて夕方起きて仕事行く生活してた。常に好きな人と一緒にいたくて、いっつも喧嘩して、すぐ結婚しようねーって言って。

それもすごく楽しかったけど、今のほうが楽しいな。

好きなブランドのお洋服も新作のデパコスもポンポン買えなくなっちゃったけど、でもそれ以上に欲しかったものが手に入りそうなんだ。

それほど興奮する事ないよね。

自分を変えるには環境を変えなきゃいけないの、よく分かった。

 

まあきっと飽きたらまた投げ出すけど、暫くはなんとなく無気力から逃げててもいいかなって思ってる。

いつ死ぬかもわからないし、どうせ、死にたくなったらいつでも死ねるしね。