2016-09-01から1ヶ月間の記事一覧

馬と鹿、午前十一時。

彼の生活を乱しているのはわたしだ。 学校に行かなくちゃ行けないのに、わたしの仕事が終わるまで起きて待っててくれる。彼は疲れていて、眠たいのに。わたしがわがままで寝たくないっていうと、おもしろい動画を一緒にみて笑ってくれる。お酒ひとりでのむの…

ごめんね、午前十時。

今日、お酒をあんまり飲まない約束をしたので、わたしはお店で作る梅酒ソーダをすごく薄くして飲んでた。 好きな人が好きと言ってくれる言葉は、本当にすごくて、馬鹿かもしれないけどそれだけで何だってできちゃう気がしたの。 わたしは今日、酔っ払わなく…

逃避、桃、午後七時。

幸せが今。 しくしく泣いちゃう彼の頭を撫でるとき。 うわくちびるをぷにぷにするとき。 怒られるとき。 おいで、って呼んでくれてお布団で一緒に眠るとき。 相変わらず周りの環境は変わらず、むしろ悪化している気はするけど、こういうことあるからわたし、…

灰皿と指輪、午後二時。

彼の家の透明なガラスの容器。 それが灰皿で机の真ん中にぽこんと置いてある。彼が昔の彼女からもらった灰皿。 お買い物に行った時、灰皿コーナーを眺めていた彼が、ぼそりと「灰皿ほしいな」と言ったので、ここぞとばかりにばかなわたしは「そうなの、そう…

躁と鬱、午後四時。

外は雨が降っている。 薄暗い部屋の真ん中、布団に体育座りでいる。エアコンは絶えず風を送る。乱雑な机上。隣で眠る彼氏。ねえ、市役所行くって言ってたじゃん。いまお腹が空いたのかどうかわからない。太ったから食べたくない。お酒飲んでるから今なにも食…

夏の終わり、午前三時。

元恋人からは相変わらず毎日電話が来る。正直、どのような意図なのかはわからない。 わたしはとったまま放置だった免許証を本来の目的で使うべく車の練習を始めて、ピアスを外し、昼間の仕事に応募した。受かる確率はめちゃくちゃ低いけどね。明日はリクルー…