煙草とお酒、午前四時。

 

きみの、煙草の吸殻を外に捨てないっていうところが、とっても好きだっていうのも、伝えるには少し恥ずかしくて。

わたしは一人で今、外の風に吹かれてお酒を飲んでいるけど、なんだかすごく悲しい気持ちだ。

あかとみどりのひかりを眺めながら、自動販売機の音をききながら、ぼうっとしている。

電話が切れた瞬間に好きって言っちゃうのは、こわいから。おうちに帰りたくないのは現実を見たくないから。

わたしの人生は誰のものなのって、足元のお菓子の袋に煙草の火を当てながら訊いても、ただプラスティックが静かに溶けてゆくだけで、こたえてくれない。

ピアスがカチカチ音を立てるけど、座る椅子は硬いまんま。

遠くで車の音。黒い影が迫る。夏を感じさせない夜は、わたしを静かに安心させるけど、脳みそははっきりしているので、寂しさも全部心臓に浸みて、どんどんこころが重くなる。

アルコールに浸っても、こころが軽くならないのは、わたしがダメな人間だから。

大事な人がいても、信じて愛せないのは、わたしがダメな人間だから。

わたしがダメな人間だから、わたしがダメな人間だから、イイ人間になろうとしてもなれないのは、わたしがダメな人間だから。

分かってい変えられるなら、とっくに幸せを感じていたよ。

虫の声も、空気の音も、揺れる視界も、なんにもわたしを救ってくれない。

わたしがダメな人間だから。