記憶録

 

毎日同じ曲を五十回はきいている。

三つ子のくまの赤ちゃん、バッグとハイヒール、ハート。これらの可愛いボタンたちは手付かず。なんのやる気も出ない。布団で横になって、テレビショッピングをぼーっと眺めているだけ。

上手いこと絵もかけない。考えも浮かばない。死にたい痩せたい可愛くなりたい、くらいしか思い浮かばない。こわい。

とにかく生きているだけで疲労するので、こまる。

覚えていられることがめちゃくちゃ少なくなってる。覚えることもそんなにないから別にいいんだけど、でもたまに不便。不便っていうか、なんか、わからないけどでも気持ちいいものじゃないよね。わかるでしょ。

本も読む気にならない。他人の人生を見てなんになるんだ。幸だろうが不幸だろうが羨ましい。わたしじゃないっていうだけで羨ましいな。やだな。

ネイルのつま先が少しずつ剥がれてくる。頑張って塗ったのに。お姫様みたいな、子どもみたいな、やっすいピンクのラメ。精一杯綺麗に塗ったんだけど。意味はあるのに、わたしはもう意味がないとしか思えないから、それはもう意味がないんだよね。知らないことだらけでやんなっちゃうよ。

真冬の海に行って寒がって、電車待ってる間、駅でココア買って両手で包んであったまって、帰りの電車で眠っちゃって、目を覚ましたら真っ赤な夕日で。そういう幸せを毎日感じたい。毎日じゃなくていい、ただ、穏やかな脳の海に漂いたいだけ。桜や夜のネオンを見たり、お腹いっぱいになったり、可愛いお洋服でオシャレしたり、公園でバドミントンしたりした後に、死にたいなんて思いたくないんだよわたしは。

もう絵なんて描かなくても、SNSをしなくても、いいようにさ。はあ、ずっと眠いなもう。