生活、白、午後十時。

 

美しい、整頓された部屋で、キッチリとした生活。白いマグカップにココアをいれて飲む。ぱきっとした制服で、キチンとした時間に出社。家に帰りささやかな料理を作って食べる。身体を綺麗にして暖かい布団に入り眠る。整った生活をしたい。

文章のような生活がしたかった。

今はそれとは程遠い生活をしている。

ぐちゃぐちゃで綺麗でない。わたしの耳に取り残されたピアス。黒髪に埋まった茶髪。肝臓は耐えずアルコールを分解し続け、ニコチンは肺を汚し続ける。

苦しい。

いつまでこんな風を続けるんだろう。

自分で変えるしかないことはよくわかっているのに、気がつけば美しくない悪いことばかりをしている。

わたしはなにも持っていない。だからこそ何かを生み出したくて。だけどその方法も全部ダメで。

助けて欲しいけどどうにもならない。

 

わたしは白いマグカップを二つ買った。

それはまだ、ビニール袋で寄り添い、静かに眠っている。