ギャンブル場とニュース、午後十時。

 

騒音の中、休憩スペースのソファに座って、甘いカフェオレを飲みながら煙草を吸っている。目の前のテレビでは、誰が死んだとか怪我したとか、そんなニュースばかりで飽きてしまった。そんなことは御構い無しで、大音量のハイテンションなBGMの中、パチンコ台はピカピカ光って人間は娯楽に耽る。

明日死ぬかも知れないけれど、今日を生きるためにお金を稼いで、今のために楽しいことをしてそれが普通なのに疑問に思って悲しくなって。それが病気だと言われたらそうなのかも知れないけれど、何の疑問も持たずに生きていくことなんてできないよね?

画面の中のおじさんたちは不満そうな顔をしていて、自分の思い通りにならないことに怒っている。おじさんたちが悪いのか、その相手が悪いのかは知らないしわたしにとってはどうでもいいことで、ただ甘ったるいカフェオレが胃でもたれて気持ちが悪くなってきた。

なにもかもが上手くいかないし、じょうずに生きることができなくて辛い。明日も頑張ろうなんて思えなくて、このまま死んでしまいたいと思うけれどそんなこともできなくてだらだら生きているだけ。目の前のことから逃げてきた結果がこれなので、誰にも文句は言えないね。幸せになったってそれが怖くて自分で壊してしまうものね。どうしようもないね。

何人もの人がわたしの前を通り過ぎて、その人それぞれに人生があるなんて考えられないし知りたくもないけど、ただそれってものすごく気持ちの悪いことだね。

わたしは偉そうなテレビの中のコメンテーターに死ねって言ったけど、お前がなって返されちゃった。