素晴らしき我が人生。

 

人生って素晴らしい。

パパママありがとう。

産んでくれてありがとう。

 

水槽の金魚に餌を与える。僕は氷の溶けた麦茶を飲む。僕が水槽の上で腕を切ると、赤い血が滴って水槽の水に溶けてゆく。うわあっと、いやらしくくねりながら、赤い線は透明に沈む。

後ろにおとこの人が立っている。「大丈夫だよ」って言いながら僕の頭を撫でるんだけど、なにが大丈夫なのか全くわからない。そもそもお前だれだよ。夢の中にいるみたいな、ふわふわした感じ。「脳が犯しゃれてゆ♡あぁんきもちぃい♡」これ、だれが言ったの。こわくなったり心配になった僕はとりあえず走って玄関を飛び出す。足が重くて思うように前へ進まない。もっと早く走れるのに。追いつかれてしまう。後ろには包丁を持ったひと。僕は死んでしまう。死んでしまう。死んでしまう。なんの話かわからない。しらない。すぐに忘れてしまうので、いつも同じ話。飲むのはお酒。寂しい気持ち。握りつぶした金魚と美味しいお寿司。みんなみんな、血が赤い。あっ死んだの忘れてたっ。