午後七時、午前三時


勘弁して欲しかった、このような事は。
出勤前午後七時、ラーメン屋にて。
女の子が話があるというので、呼び出されていった。お腹は空いていないけれど、一番安いという理由でラーメンを頼む。注文したものがくるまで、他愛のない会話をし本題へ。どうも一人の客のことらしい。彼女はずっとわたしの目をみていたが、わたしはそういうの苦手なので、ずっとラーメンのスープの黄金色とか黄色い麵とかを見ていた。彼女はずっとわたしに話していたが、わたしは会話が苦手なので、ずっとスープとか麵とかを口に運んでいた。食べ終わってもまだ話は続いていたので、ストッキングが伝染してしまっていることだとか、雨のことだとか、男のことを考えていた。
話し終えた彼女は食事に集中し始めたので、わたしは安心して話をした。的を得ているような得ていないような、勘違いされない言葉を選びとって、繋げる。特に当たり障りのないことをいう。もうわたしは疲れてしまっていた。

午前三時、机上寝床のぬいぐるみたちはわたしの人生を嗤っていた。わたしは腹を立てずに、彼ら彼女らに同調する。湿った髪の毛とモニターの暗闇はわたしを責め立てる。誰かに助けてほしいけれど、他人に期待するのはおかしい事だと知っていたのでうずくまる。やらなきゃいけない事が脊椎を侵食して、やってはいけないことが脳を覆っていく。「あ」の字が宙に浮かんで耳に入る前にめをつむった。